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Discipline-躾-について


RIOと一緒に暮らし始めて、数日後。動くものには何であれ素早く反応して飛び付き、しかも小さくて鋭い歯を食い込ませる。まず犠牲になったのはカーテンと私達の脚。カーテンはくるんとまとめて片隅に寄せると、RIOの興味はすぐに薄れた。けれど、私達が歩く度に脚にまとわりついてズボンに喰らいつく。正直これには、参った。声を上げても下げても無視しても、さらに飛び付く勢いが増してくる感じ。手も出した。トレーナーさんの指示で、タオルを揺らして飛びついてきた瞬間、手を見せないようにして体罰を与える方法も試した。これはかなり効いて、しばらくは顔の前でタオルを揺らしても飛びつかなくなった。でもほんの数分間…。


歯が皮膚に当たるのも、日に日に痛くなるし、脚なんか痣だらけ。おまけに、飛びつかれて歯が引っかかったまま引っ張られて破れた服も数知れず。一度なんか中指の爪と肉の間にグッサリと刺さり、1週間くらい何を触っても痛かった。冗談ではなく、息がかかっても水が当たっても痛い。ピアノも弾けなかった。寝転がって遊んでいたら目にパンチをくらって、その日1日は目が充血して痛くてたまらなかった。そう言えばLOZの鼻の穴にも、RIOの鋭い犬歯がまるで釣り針のように完璧に引っかかった。そして血が出た。容赦なく。…これは人のことだったからちょっと面白かったけど、もしも自分だったらと想像したら涙が出そう。


大型犬はちょっと歯が当たっても、かなりの大事故につながる場合が多い。体重がある分、軽くぶつかったら子供など簡単に倒されてしまう。「躾」を考えるとき、やはり最低限のルールとして、人間には絶対に歯を当てない。犬にとっては遊びでも、度を過ぎれば怪我になる。RIOの歯が全部生え変わったら、もう私の腕など朝飯前に噛み砕けてしまうだろう。


毎日RIOの身体を触っている。ブラッシングし、蒸しタオルで拭き、耳の中の汚れを確認してから口の中を掃除する。一度痛い思いをさせてから爪はなかなか切らせてくれない。ので、タイミングを見計らって、誤魔化しながら手入れする。歯磨きをするときには、手も指も当然口の中に入る。歯が当たる。けれど、最近のRIOは絶対に口をきつく閉めたり、私の皮膚を噛んだりはしない。どんなに嫌な感じで触っても。これは信頼かなって、ちょっと思ったりして。タオルにはガウガウ噛むけどね…。


怒る、という行為はなかなか奥が深い。怒る事には沢山のエネルギーが消耗される。そこに愛が無ければ、怒ることさえもできない。RIOが3ヶ月くらいのとき、もう事あるごとに苛々して大声で怒鳴ったり、物音を立てて威嚇しようとした。RIOの気持ちや状況を察するよりも先に自分のストレスを解消したかった。しかもRIOは段々と反抗の意思表示をするようになってきている。今のうちに上下関係をきっちりつけなくては!!!という焦りも、かなりあったと思う。本やビデオに目を通しては、ベストな躾/体罰の仕方を探した。LOZからは、RIOをささっと押さえ込む方法を特訓してもらう。正直その頃の私は、日々加速しつつあるRIOのスピードと障害物を難無く避けて、ガシガシ立ち向かってくるチャレンジャーなRIOにビビリつつあった。一歩脚を後ろに引く度に、「そこで脚を踏み出せ!」と注意された。犬には私達の一挙一動で心が読まれてしまう。


今振り返ると、本当に様々な方法を試したなあ、と思う。その中で一番効果があったのは、リーシュにつないでコントロールする方法。すぐに大人しくなる。そして最近は大分声や態度でも上手く落ち着かせることが出来るようになった。私達がなるべくその時その時の状況等を察して、RIOの気持ちを汲み取ろうとする努力をしていることもあるけど、たぶんRIOが沢山の事を学んでくれているんだと思う。例えば「噛む」という行為でも、力を加減するようになってる。ただ、悪い事、つまりしてはいけない事が完璧に解っていて、わざと自分の欲求不満をそれにぶつける。後でみっちり怒られることを知っていても、一応やる。


今後はそれが課題かな…。あとは公共の場でもきちんとマナーを守り、人間と一緒に行動を共にできる犬にすること。その為には毎日のトレーニング。基本的には朝の時間に決まったコマンドを練習する。トレーナーさんから学んだ課題を復習する意味を含めて。1ヶ月前には出来ていたことが急に曖昧になったり、出来なかったりするから不思議。犬の成長に合わせてトレーニング内容も微妙に変化していくらしいが、訓練した時間に比例して必ずしも順調に右上がりのグラフを形作っていくのではなく、上がっては平行になり、また少し上昇して停滞…のようにグラフも様々な形に変化するということ。私達もかつては目を爛々と輝かせて従順にトレーニングされてるRIOを眺めては、密かに「この子は天才かも!!?」と思ったものだ。今は「うーん、この頑固者!!!」とか「もう少し落ち着けば!!?」って思う方が多い…な。そう、完璧の道程はまだまだ遠い。


でもね、


最初は突然変化した犬共同生活及び慣れない毎日の散歩/トレーニングで、ぐったりしてた時期もあったけど、今は自分達がRIOに与えた時間と愛情の分だけ目に見えて彼の態度から、「絆」のようなものを感じ取れる。一緒に過ごしたたった4ヶ月が4年間くらい長く感じられる。本物の4年後には、お互いにどれだけ近くに感じられるんだろう。RIOからもらう、沢山の予想を裏切る「驚き」や「喜び」。今後果たしてどれだけ私達の想像を軽く裏切る「幸せ」を運んできてくれるんだろう。


今、こんなにワクワクしながら足元でアザラシになっているRIOを眺める。


たまらなく愛しい。



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Comment

ほんとだね
「怒る事には沢山のエネルギーが消耗される。そこに愛が無ければ、怒ることさえもできない。」

よく分かる。

「今は自分達がRIOに与えた時間と愛情の分だけ目に見えて彼の態度から、「絆」のようなものを感じ取れる。一緒に過ごしたたった4ヶ月が4年間くらい長く感じられる。」

うんうん
わかる。


「たまらなく愛しい。」
ぐっ、とくるね

Shizuka
to Shizuka
ふふふ。このテーマを書いてから約4ヶ月経ったんだねえ。今でも「愛」を持って怒り続けている日々。いくらCHDでも、いたずらや反抗は絶え間ないのよ~。年齢と共にますますチャレンジャーと化している。甘やかしたくないので(というか、こちらが怪我したくないので)、きちんと怒る時は怒るんだけど、やはりこちらの本気を見せないと、気持ちの緩みはバレバレなのが面白い。その隙間につけ込んでくるからなあ。

「絆」と言えばなんだろう。例え寝転んで眠そうにしている時でも、私が「そろそろ外出しようかなあ」とか「リンゴ食べようかなあ」とか思ってると、すぐに雰囲気をキャッチするよ。びっくりするようなタイミングで。そして、「なに?なに?どこ行くの?」って訊いてくる。その顔がいつも真剣そのものだから可笑しいんだよ。眉間(というより、頭のてっぺん)に皺を寄せながら...。

あと、彼にとっての非常事態、例えば嫌いな犬や怪しい人への威嚇の後には、よっしゃー、行ってきたよ~という感じで満足気に私の足元まで報告しに来ます。

以上、しょうもない「絆」でした。

あはは。なんか読んでてこっちも嬉しくなる&ほほえましいねぇ。
うらやましい!

アクリは文章がうまいわ♪
ここが好き♪かわいい~~~~~♪♪♪
「その顔がいつも真剣そのものだから可笑しいんだよ。眉間(というより、頭のてっぺん)に皺を寄せながら...。

あと、彼にとっての非常事態、例えば嫌いな犬や怪しい人への威嚇の後には、よっしゃー、行ってきたよ~という感じで満足気に私の足元まで報告しに来ます。」

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