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-ロンドンからシンガポールへ-


シンガポールに住み始めて、今月で丁度2年になる。2年前の今頃はホテル住まいで、住居を探していたんだな。今振り返ると、すんなりと新生活が始まった感触ではある。けれど、その時は自分達の気に入る住居が見つかるまで、そして納得がいくまで、かなり多くの場所をチェックした。結局今の住居の環境やインテリア(家具付きのため)が自分達の生活イメージに合った。街の中心部にも徒歩圏だし、川沿いにあるためにそこそこの空間が存在し、窓からの視界も良かった。コンドミニアムなので、セキュリティやファシリティが完備されている。プールも他のコンドミニアムよりプライバシーを保てるデザインになっているので、住み始めてからは嬉しくてよく泳いだ。特に早朝にはプールから朝日で次第に眩しくなってくる空を眺めながら、そして夜になるにつれて青く綺麗に染まっていく夕方や夜中にこっそり水に浸るのは、最高の気分。基本的に1年中そんな感じでプールに入れるこの気候には、年末年始にヨーロッパから帰ってくる時ほどありがたく感じることはなかった。とにかくヨーロッパの冬は寒くて、何と言うか、特にイギリスなんか利便性に欠けている風土みたいなものが身体にこたえる。頭や心では、色んな不便さがあってこそ生活に味が出る、といった風に受け入れようとする余裕があるんだけれど、身体はもっと正直で、そういったあきらめを容認するまで時間がかかったりする。シンガポールに到着し、チャンギ空港で嗅ぐ熱帯地方独特の香り。常夏の植物と水分の多い空気が入り交ざっている。それらをぐーっと思いっきり吸い込んで、「あー、ただいま。」って思う時の幸せ。


故郷の日本は別として、特にヨーロッパやアメリカから帰ってくるとそんな気分になるのは、どうしてだろう。その時の気候ももちろん大きく関係しているとは思うけど、おそらく緊張度が違うんだと思う。やはり西洋圏で生活すると、無意識のうちに肩の力が入っているのかもしれない。ロンドンに住んでいる時、LOZの海外出張にはよく一緒に行った。近場だとフランスやアイルランドやドイツ。そして遠い国だとシンガポールやオーストラリアなど。飛行機で十数時間もかけて訪問するシンガポール出張は、とにかく雰囲気が楽で大好きだった。同じアジア人に囲まれてるのって、こんなに気持ちが楽になるなんて以前の私には考えられない発見だった。とにかく何もかもが新鮮!!!食文化も豊かで、何よりも全てが便利この上ない。もちろん日本のサービス文化と比較したら劣る部分は山ほど指摘できる。しかし、イギリスに比べたら!!!大都市のロンドンでも、ちょっと想像を絶する不便な事が日常茶飯事なのだ。古いものを尊重する歴史が住居や生活環境、そして交通の様々な面に大きく影響している。もちろんイギリスは大好きな国のひとつ。特にロンドンには数え切れないほどの大切な思い出がある。コンサバティブでスノビッシュな部分とクールでスタイリッシュが混在している刺激的な大都市。一歩家から足を踏み出せば、そこは面白いものだらけ。その辺を歩くだけで沢山の出会いに遭遇し、全く飽きさせない。


アンティークやジャンクが好きな私にとって、ロンドンは宝箱の中を歩いているような感じなのかもしれない。美術館や博物館を巡っては奇跡的な美の数々を堪能し、マーケットを覗いては自分だけの宝物を物色したりする。それが最高に楽しい。1人で1日中足が棒になるまで歩き回ってる。古本屋巡りだけでも1日が軽く潰れる。とにかく古くて綺麗なものを探すのが好きなのだ。特に価値がある物とかそういうものを重点的に探しているわけではないので、物理的に収穫は無くても、心はたっぷり満たされる。今現在私が住んでいる地域の周りには、シンガポール川に沿って、昔この川を交通手段として交易していた名残を残す古い建物がある。おそらくその大部分が倉庫や事務所として使われていた形跡。かなり状態は痛んでて、窓や屋根からも草木が伸び放題。けれど趣があって、そのレトロな雰囲気がお気に入りだった。たまに中から鳥が飛び出してきたりすると、その瞬間時が止まってキラキラと輝いた。実際、シンガポールには数々のそんな懐古的なセンスの良い建物が朽ち果てる一歩手前の状態で残されてたりする。最近になり、その場所に新しいコンドミニアムが建設されることを知った。対面に建つ倉庫のような建物も、改造されてすっかり現代的に生まれ変わった。昔のデザインのレトロな感じは消失した。日本でもそうだが、昔ながらの素敵な建造物が取り壊され、なんの特徴も無い現代風の家が建てられたりすると、がっかりする。風景にしっくりと溶け込んでた美しい木や草花がポッキリ折られてしまったような気持ち。そんな時、外側だけでも古さを重んじて大切に保持しようとするヨーロッパの文化を思い出す。いくら不便で修理を必要としても、美と共存することの心地良さ、潔さという宝物。


シンガポールに来て大きく変わった点のひとつに、私自身もある。結婚して全く文化や価値観の違う国、イギリスで暮らし始めた私をサポートしてくれたのは、もちろんLOZであり、彼の家族や友人達。あえて言えば彼の生活圏に私が迎えられた、ということ。言葉の問題-買い物先や郵便局でちょこっとつまずけば、ガツンと落ち込んでしばらくは外出したくなかった。失敗することが怖くて、いつもドキドキしてた。ロンドンは本当に国際色豊かで、生粋のイギリス人に出会う確率が意外と少なかったりする。移民も多い。当然話すスピードやイントネーションにも慣れる必要があった。ネガティブな気持ちで外を歩けば、自然と表情も曇り、嫌な出来事ばかり呼び寄せている気がした。腹が立つ事があれば、天気や人のせいにしたし、ちっぽけな事だと笑い飛ばす余裕が無かった。今思えば、一体何だったんだろう?シンガポールという国で暮らし始める際、全てが平等に感じられた。私もLOZも同じスタート地点で、新しいことに触れていく。住居を探すところから住居環境の整備に至るまで、お互いに出来ることを協力し合った。たぶんイギリスだと、私はその殆どをLOZに甘えて依存していたと思う。もし日本で暮らしていたら、その反対に全て私がしていただろう。2人で話し合い、考えること-結婚して、お互いの新境地で手を取り合い少しずつ何かを形作っていく、その作業の尊さを改めて感謝したい。この経験で、2人とも非常に強くなれたと思う。LOZも仕事の環境が大きく変化し、様々な挑戦を続ける日々。本当に数ヶ月単位で予想もつかない生活の変化が続いている。けれど、どんな時も「私達にとって何が一番大切なものなのか」を確認しながら生きていくことで、ただ単純に救われてる。


今後、どんな土地でどんな出会いを体験するのだろう。いつも自分自身を素直に見詰めようと思う。常に物事を見極め、余分なものを捨てることを恐れず、整理して、今後訪れるであろう沢山の貴重な経験を受け止める容量を確保する。そして確実に自分に必要なものだけを選別し、吸収ていきたい。戸惑ったら、その場で立ち止まり、とことん考え込んで結果を出してみれば良い。疑問に思ったら話し合えば良いし、好きなものには好きだと大声で伝えたい。


そうやって、シンプルに生きたい。



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