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イングリット・フジ子・ヘミングさんの本を読んだ。







本のタイトルは「天使への扉」。Chapterごとにテーマがあって、それについて短いエッセーが書いてある。フジ子・ヘミングさんの事を知ったのは、1999年に大反響を巻き起こしたNHKのドキュメンタリー番組。当時その番組を見た時は、かなり衝撃的だった。何が衝撃的だったか、というと、彼女の壮絶な歴史もそうだが、とにかく見た目だった。ファッションも住む環境もインテリアも、そういった彼女を取り巻く全てが、まるでそこだけが異次元のように独特な雰囲気なのだ。ドキュメンタリーの内容はうっすらとしか記憶には無いけれど、彼女がゾロッとした服をまとって、一緒に暮らしている猫達を可愛がっている姿だけは、強烈に憶えている。


彼女のhistoryを少しだけ紹介すると(以下、光文社「天使の扉」から抜粋)、彼女の本名はIngrid Fujiko v.Gorgii-Hemming。スウェーデン人の父と日本人の母のもと、ドイツで生まれる。東京音楽学校(現東京芸術大学)を卒業後、ベルリン国立音楽学校に留学。長年にわたりヨーロッパで演奏家としての経験を積み、バースタインなどの一流の音楽家たちにその才能を認められるが、不運にも聴力を失ってしまう。聴力が少し回復してから、困難に耐えながらも欧州各地で地道なコンサート活動を続ける.......以下省略。


子供の頃から、どこの国でもいじめにあったらしい。結局日本からも国籍どころか永住権ももらえない「難民」扱いを受け、「どっこの国も嫌いだし、どこの国も好きだし、どこの国にも属していない。ずっと私は天国に属している」と言うフジ子・ヘミングさん。色んな国で経済的に苦労しながらも、捨て猫を助けることを止めず、敬虔なクリスチャンとして常に協会やユニセフ、動物愛護団体などへの寄付を怠らない。聖書には「自分のお金は自分の財布に貯めないで、天国に貯金しなさい」という言葉があるそうだ。実際に自分への贈り物に対しても、是非そのお金を寄付に使って欲しいと語る。一瞬、オノ・ヨーコを思い出した。彼女も夫であるジョン・レノンが射殺されたときに、ファンに対して「献花のお金をチャリティ基金へ献金して欲しい」と訴えた。オノ・ヨーコさんに関しては、スキャンダルを含めて伝記などにも色々と書かれているけれど、でも私は昔からとても興味を持っている。日本人として世界に誇れる女性の1人だとも思う。2人に共通している点をあえてあげれば、なんだろう。自分の生き方や美意識を断固として貫いているところや、何かこう俗世を超越した雰囲気というか、そういうところ。


そして、バーンスタインやカラヤン、ブルーノ・マデルナといった天才音楽家達との交流の数々。特にバーンスタインは大のお気に入りで、彼女曰く「水も滴るいい男」らしい。バーンスタインもカラヤンもとてもハンサムなので、音楽を聴きながらCDの写真を見入ってしまうことも多い。私は個人的に小澤征爾さんなんか、すごく魅力的に感じるし、特にタクトを振っている時なんか最高にセクシーだと思う。会社勤めの時、同僚に好みの男性のタイプは?と訊かれて「小澤征爾さん」と答えたら、しーんとされた。その後、どうやら私はおやじが好みらしいという風に解釈されてたみたいだけど、わかってないなあ、あのセクシーさは普通じゃないよ。奇遇にも小澤さん宅の近所に住んでるという同僚もいて、彼女曰く、普段は「ママチャリ乗ってる小汚い普通のおじさん」らしい。わかってないなあ...もう。


話がそれてしまった。何かで読んだが、カラヤンはこの世のものとは思えないほど良い香りがしたらしい。しかも「干し草の匂い」らしい。うーん。とにかく、フジ子さんはそんな天才達に実際に会って、バーンスタインからはいきなり 唇にキス!!!恋愛観もかなり飛んでる感じで、私はすごく好感が持てた。飛んでる、といっても彼女独特の感性があって、決して安っぽくないので、どの恋愛でもきっと良い経験をしてきているんだなあというのがわかる。そして彼女が奏でる名曲の背景には、そんな恋愛経験が密かに存在しているらしい。


その他、日本という国に対して思うことや、海外生活で感じたこと、自分の家族や動物達への愛について。そしてショパンやリストを弾くときの姿勢や演奏家としての心がけ...など、1人のピアニストの生き方から、様々な事を教えられた。また、この本の挿絵となっている彼女のイラストも、とびきり魅力的!


ちなみに、私の妹はかつてコンサート・ホールなどでパート・タイムの仕事をしていたが、フジ子・ヘミングさんは、スタッフがとても気を使う演奏家の1人だったらしい。邪魔な音には神経過敏だし、非常に気分屋でもあって、その時のノリ(?)で演奏もガラッと変わるらしい。でも、これもフジ子さんらしい、エピソードなのかもしれない。この本を読んだら、ますますそう思った。


是非いつまでもお元気で、そのチャーミングな人間性で、美しい曲を奏で続けて欲しいと思う。



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