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二回目の診察は、約1週間後。そしてそれから連日で毎日違う獣医さんを訪ねた。その理由は簡単。私達が満足する診察結果が得られなかったから。


シンガポールで唯一TPO手術の経験があるという獣医さんにも会った。CHDの症例に関してはベテランという話だったけど、診察自体は適当だったし、実物がするそばに居るのに、RIOの歩き方や座り方をチェックすることもなく、しかも基本的な触診さえも、こちらが誘導しない限りはしようとしない。x-rayを見て開口一番、「かなり重度なので、TPO手術は勧めない。」とさえ。LOZもその意見にはびっくりして、何度も質問して確認をとったが、結局彼の見解によると、「RIOの股関節は、TPO手術が可能な角度を通り越している」らしい。


TPO手術について色々と調べてみた。「Triple Pelvic Osteotomy」の略で、日本語だと「三点骨盤骨切手術」という呼ぶらしい。 関節の受け皿である寛骨臼は寛骨にある。その寛骨は、腸骨、恥骨、座骨の3つの骨が癒合してできたものなので、要はこの3つの部分を切り取る手術らしい。切った後は回転して固定し、大腿骨頭に深くかぶさるようにするとのこと...うーん、イメージするのが難しい。でもアメリカを含めた欧米諸国ではかなり馴染みのある手術法で、回復率もその質も抜群に高いと言われている。ただ、基本的には1歳を過ぎた犬には適用しないのが一般的なので、(骨が成長段階である、というのがこの手術の原則らしい)9ヶ月のRIOには残された時間もあと少し。LOZの頭を狂わせているのは、この時間リミットにも原因があるのだった。果たしてRIOの症例ではTPO手術が可能なのか、いや絶対に可能なはず!!!という一途な願い。その後、LOZはアメリカのCHD専門医2人にメールと電話で診察を受けた。その結果は、TPOは可能な範囲だという回答。希望が復活。


次に訪れた動物病院では、オーストラリア人の獣医さんが担当。ここはもともと評判が良かった。しかし「うちではTPO手術はしない。」と単刀直入に言われて、結局は「私達の要望には対応できない」という理由で、x-rayの状態を説明することもなく、RIOへの触診もせずに終わった。診察料も受け取らなかった。


彼(そして、シンガポール大半の動物病院)が主に行うHDの手術法、というのが「大腿骨頭切除術 Excision arthroplasty (femoral head and neck ostetomy)」というもの。それは「サルベージ(救済)手術」の部類に入る、つまり変形の進度が激しくて、かなり重度なHDの症例に適用する手術のひとつ。大腿骨頭を切除する事で、骨と骨の接触を無くし、根本的な痛みの原因を取り除くというもの。ただ切除した後は、その部分が治癒する過程で偽関節を形成するので、正常な関節の機能というものは期待できない。が、激しい運動(フリスビーやアジリティなど)をせず、散歩を含め、普通の生活の範囲での運動であれば問題はないらしい。


ただ、名前のごとく「サルベージ(救済)」する手法を取るということは、正直、最終手段と言っても過言ではないと思う。RIOの脚がこの先さらに悪くなった時、苦痛を訴えたり、歩行が不自由になった際には、もう躊躇せずに、私達はサルベージ手術を選択するでしょう。でも、今のRIOにそれは必要がない。あと注意する点としては、この手術は体重が20kg未満であることが好ましいとされている。従って、大型犬の場合は厳重な体重管理が必須の条件。RIOは現時点で約30kgある。


例えばもう一つの「サルベージ手術」である「股関節全置換術(人工股関節置換術)Total hip replacement THR」。これは大腿骨頭も寛骨臼も両方を、人工のものに換えるという術法。術後は早期に痛みも取れ、95%は正常の犬と同等の股関節機能、運動能力、運動耐用性を得られる。ただ費用は高額。RIOに適しているのは、おそらくこの手術。けれどこの術法は、身体の成長が完全に止まった段階で行うのが一般的なので、RIOにはまだ時間の猶予がある。なので、それまでにサンプリメントや運動で日常生活から病気を守っていく点が大事。


実はシンガポール獣医協会の会長であるというドクターにも診察を受けた。彼の判断もRIOは緊急を要する程のHDレベルではないと見られるので、今後は運動や体重管理をしながら様子を見守って行くのがベストでは、と言われる。TPO手術に関しても、かなり消極的な意見。おそらく、この国でTPOやTHRができる技術を持った獣医さんは居ないに等しいのでしょう。ついつい欧米/日本の状況や選択肢の広さと比較してしまいがちだけど、しかしこの小さい国で、ましてここ数年でコンパニオンとしてペットを飼うようになった国に、そんなCHDの専門医の存在を期待する方が無理な話なのかもしれない。


もしこの国でリオが1歳までに受けるのが原則であるTPOが無理ならば、このまま生活スタイルを調節してあげることに専念することにしよう。そして、今後のことはわからないけれど、もし数年後に手術が必要になった際には、別の国で、今度は沢山の経験を持ち、自信を持って手術をして下さる獣医さんにお願いしたい。そう2人で話し合った。


結局この数日間で、かなりこの国の現状を目の当たりにすることができた。シンガポールではTPO等の「予防的な手術」の存在は全くもって薄く、FHO(大腿骨頭切除術)に代表される「サルベージ(救済)手術」が、一般的だということ。THR(Total hip replacement)でさえ、出来ると言われている獣医さんは1人だけだ。経験だって数えるくらいだろう。そんな人に私達はRIOを手術してもらいたくないのが本音。いずれにせよ、サルベージ手術は、リオにはまだ必要だとは思えない。


まだちょっと不安の残る中、少しずつ答えが見え始めていた...。




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