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「Birth」を観た。








ニコール・キッドマン主演。ブラウンヘアをショートにして、細い首にくるくるとマフラーを巻いているニコールは、普通っぽく魅力的。普通といっても美女には間違いないので、とてもシンプルなファッションを品良くきめている。ミニスカートが多いのだが、髪型がボーイッシュなので甘くなりすぎず、しかもシックで可愛い。素敵なショートのお手本みたい。いつもの輝くようなブロンドのニコールとは違った、控えめな美しさ、かな。


監督はイギリス人のJonathan Glazer。2000年の作品「Sexy Beast」では、「ガンジー」でおなじみのベン・キングスレーが、マシンガンのごとくものすごい放送禁止用語を吐き続ける、まさにBeastの役が印象的だった。もう視線からして極悪人そのもの。びっくりだったなあ。ストーリー自体は忘れても、彼の演技だけは永遠に忘れないだろう。そしてこの監督は、Radioheadのvideoも手がけているらしい。あの、素晴らしい名曲「Karma Police」など。


で、この映画もかなり好きな感じだった。まず音楽がユニークで、低音のみを響かせた部分が渋い(ややヒッチコック的)。そしてクラシック音楽がふんだんに使用されていて、気分を高ぶらせる。映像もカットの撮り方がすごく独特だと思う。ぶつっと切れる瞬間の景色や人の表情が、何故か効果的に心に残るのだ。良い感じで。


ストーリーは、若くして未亡人となった女性が再婚を目前に控え、自分は死んだ夫の生まれ変わりであるという10歳の少年に出会う。馬鹿馬鹿しいと思いながらも、彼のミステリアスかつ真摯な求愛の態度にきっぱりと抵抗できなくなっていく。そして自分の結婚やフィアンセに対する気持ちにも疑問を持ち始める...。


正直、このストーリー設定は賛否を問う。極端に言えば、倫理的な点でも観る側の捉え方によっては、十分に犯罪だと思えるだろうし、容赦なくこき下ろされてもおかしくない映画だと思う。実際にニコール・キッドマンが10歳の少年とバスタブに入ったり、セックスを彷彿させる描写もある事はある。ただ、とても抽象的で、肝心な点がぼんやりしているから、余計に観る側を熱く混乱させる。あれは一体どういう意味なんだろう???という具合で。確かに、他にもそういう「?」マークが頭に浮かぶ場面が随所にある。ちょっとした台詞や表情の変化によって、どんなふうにも解釈が変わってくるし、色んな結果として受け止められるのだ。


観終わった後にも、結局どういう意味なんだろう???としばらく話し合った。つまり、「あの少年は彼女の死んだ夫であったのか、否か?」ということ。話の筋としての展開とは裏腹に、最後にかなり不可解な感じで終わることから、もう一度最初のシーンに戻って色んなサインを見つけていく作業がしたくなる。そうすることから、何気ない言葉や表情/動作によって、また新たな発見が生まれてくるから面白い。


考え方によっては、すごく衝撃的でかつロマンチックな物語になる。そして残酷。ある意味ちょっと哲学的(?)かもしれない。reincarnation(転生)。そんな難しいテーマを、こういうセンスで作り上げた監督はすごい。ちなみに、この映画にはスノッブなニコールの母親役を大女優のローレン・バコールが演じている。あとアン・ヘッシュが謎のある女性の役を演じていて、かなり不気味で上手い。10歳の少年を演じていたのは、キャメロン・ブライト。子役としてはかなりの映画出演経験があるようだが、将来が有望だと思う。一見あどけない少年でありながら(体型もぽっちゃりだし)、大人びた言葉を発する時の表情といったら!!!大人の私でもドキドキするくらいクールなのだから。子供の殻をかぶった大人?という気分にさせてしまう演技。あっぱれ。


とにかく、M.ナイト・シャラマン監督の作品が好きな人は、結構楽しめる映画だと思う。全体の色彩だとか、言葉のリズムや流れなど、少し似ている感じがしないでもない。



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「THE VILLAGE」を観た。



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私の好きなM.ナイト・シャラマン監督の作品。LOZはこの作品を飛行機の中で観る機会があって、10分で寝たと言っていた。どんな映画なんだろう。実は私も彼の作品で「UNBREAKABLE」を3回観たけど、いつも同じくらいの場面で眠りに落ちていた。ブルース・ウィルス主演のなかなか面白い設定の物語なんだけど、こう、テンポの遅さというか、会話が少なくて、その会話も静かな調子で全体的にしんとしてるので、眠りを誘う。心地良いソファーに寝転がって観たら、一発で寝てしまう種類の映画だと思う。でも、一度頑張って観続けてたら、すごく面白かった。ちょっと解りにくい感じではあったけれど、くすっと笑いを誘う可愛い場面もあって、好きな雰囲気の映画だった。


もちろん、「THE SIXTH SENSE」も「SIGNS」も観た。どちらも面白いけれど、個人的には「SIGNS」に思い入れがあるかなあ。監督が伝えたいメッセージが、とても切ない感じできゅんときたことと、宇宙人という難関へも、きちんと映像を出す勇気。色々と疑問や果てしなく「ん?」と思える点は随所にあるけれど、メル・ギブソンの演技は最高だし、彼の娘のダンス・シーンとか皆でアポロチョコみたいな銀紙を頭に巻いているシーンだけでも、観る価値あり。もう最高。何回観ても笑える。そして観終わった後に、何故かぐーんと心に響く。LOZと一緒に「切ないねえ..」と言い合った。


で、今回の「THE VILLAGE」。ホアキン・フェニックスは、「SIGNS」に引き続き好演。決して美形ではないけれど、暗めかつ情熱的な男性を演じればピカイチ。「THE PIANISTー戦場のピアニストー」のエイドリアン・ブロティは、ここでは一癖ある役を演じていた。ダイエットはしないまでも、この役柄も彼にとってかなりの挑戦であったかもしれない。ストーリーは、外界と隔離されたある村=VILLAGEで起こる、奇妙な出来事の数々。村人たちが持つ「掟」と「秘密」が、愛をキーにしたドラマをもとに解き明かされていく...。


ブライス・ダラス・ハワードという盲目の女性を演じた女優が印象的だった。そして彼女に愛の告白をするホアキンのセリフに、かなりドキドキした。さり気ない感じだけど、強烈。こういう演出って、この監督のすごさだなあ。そして彼女は彼の命を救うべく、「VILLAGE」を出る決意をする。「何か」が潜む深い森へ...。


結局、この映画に隠された「秘密」や「謎」を解くことに専念したり、ミステリーやスリラー的な部分ばかりに注目すると、その期待は裏切られるかもしれない。確かに、森などの「恐怖」に対して使われる効果音や雰囲気が、私達の緊張感を煽る。ただ、その正体が判明したり、また途中大体読めてくる段階で、この映画の魅力が終わるか続いていくのかは、観ている側の視点、そして感じ方や捉え方で大分変わってくる、とも思う。


ひとつの愛の物語として観るのも面白いけれど、今回シャラマン監督が表現したかったテーマに集中してみると、やはり私の好きな感じだなあ、と素直に思った。とにかく、映像は、ダークでシンプルだけど緻密に計算されてる美しさだし、会話の質や間、みたいなものもすごくセンスが良い。


次回の作品が楽しみでたまらない。






「CLOSER」を観た。去年のクリスマスの時期、ロンドンの地下鉄のあちこちで、この映画のポスターを見かけた。その時以来、ちょっと気になっていた。結局映画館ではなくDVDで。



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大まかなあらすじは、単純に言えば男女4人の恋愛劇で、人間の持つ複雑な面、例えば動物的な直感を通した出会いや、またそれに絡む嫉妬や裏切りの繰り返しなどが、2組のカップルを通して描かれている。この物語は、もともとイギリス劇作家パトリック・マーバーによる、世界的に大ヒットした「戯曲」だったらしい。それにしても過激な内容なことよ。内容もそうだけど、台詞がすごいんだ。ものすごくリアリティーのある台詞...(イギリス英語のスラングを含め)。


キャストが良い感じ。ジュード・ロウとナタリー・ポートマン。そしてジュリア・ロバーツとクライヴ・オーウェン。この2組のカップルが複雑に絡み合う。ジュード・ロウは男前なので、どんな役をしても(たとえ薄気味悪い殺し屋やロボットとかでも)、いつもそれなりに様になっている。でもこの映画では、あまり魅力的に感じなかったのは私だけ?運命に翻弄されっぱなしの普通のイギリス男を演じているのだが。


でもそれはきっとクライヴ・オーウェンのせいだろう。彼の演技がすごかった。その口の悪さや低い声の迫力もさることながら、常に性欲や独占欲が愛情に反映し、異常に性に執着している医師という役柄が、あまりにも不気味で上手かった。ある意味とても孤独で哀しい人なんだけど、抜け目が無い。彼を見た瞬間、すぐに「King Arthur!!!」と喜んだのもつかの間、すぐに「おお、King Arthur...よ。」と呟くこと多し。映画館で見たキングのクライヴは正義感に満ち溢れ、神々しかった...のに。でも!私はこの「CLOSER」のクライヴ・オーウェンの演技を見て、彼の演技の幅広さに感服したのだった。あれほどの悪態をジュリア・ロバーツに浴びせまくった男優もこの先そう出てこないだろうな。LOZ曰く、「世界中の男が、妻や恋人に対して言いたくても言えない全ての悪態を言い尽くしている」らしい。


ジュリア・ロバーツは写真家の役。ちょっと地味な感じで、でもその疲れた感じがセクシーでもあった。そしてとてつもなく弱くて駄目な女を演じているのが新鮮。ナタリー・ポートマンはストリッパー。汚れ役なんだけど、天使のような顔で小悪魔的な魅力を強調。繊細で素直な心と冷たくて気まぐれな心の両方を備えた、不思議な存在。彼女の喋り方も結構独特で、可愛らしい。ちょっとだけ「レオン」のマチルダを彷彿させる。ま、この2人の女性の異質な魅力も、この映画のキーなんだろうなと思う。


映画の中で、ロンドンの街を観るのも、すごく楽しかった。ちょっとした公園の一角に埋もれた墓地や雨に濡れる歩道。夕方のテムズ川。そして彼らの住むフラットのインテリアなどにも、すごく興味をひかれた。


ちなみにこの映画で、クライヴ・オーウェンとナタリー・ポートマンが、それぞれゴールデングローブ賞のドラマ部門で、最優秀助演男優賞と最優秀助演女優賞を受賞している。2回観たら、また印象が変わる映画かもしれない。恋愛の残酷さと人間の弱さを見せつけられる、そんな映画。


ダミアン・ライスの挿入歌が最高。胸にぐっとくる。



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